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「ふぅ。」 あたしは髪を拭きながら部屋に戻る。 男は……いない。 さすが、あたし。 我ながら見る目があるわね。 今はあっさりした付き合いだけでいいのよね。 仕事は忙しいし。 身近な男で少し酷いメに遭ったばっかだし。 やっぱり、これよねぇ。 あたしはベッドに座り、煙草に火を付ける。 ベッドの相手は縁も由もない男に限る。 トラブルが起きない。 最高だね。 あたしのこと、冷めてると思う? そうじゃない。 今はこれでいいの。 いつかは恋愛したいと思ってる。 それこそ縁も由もない男と。 周りの女の子達は職場に相手を見つけに来てるみたいだけど、あたしはパス。 職場で付き合った男と別れた時、酷い噂が流れた。 『あの女は俺を騙して、遊んで、捨てた。』 男はみんなに言って回った。 みんなの冷たい視線。 あんな思いはもう二度と嫌。 だから、今はこれでいい。
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