第1章 夜

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ヨハンは城のそばに戻ると扉があいていることに気がついた。 「あちゃー、またハクシャクサマがおこっちゃうなぁ」 玄関に入ると見慣れないヒトの女の子がきょろきょろしながら立っていた。 「あー!おまえがゾンビたちのいっていた女の子だな!」 女の子はびっくりして振り返り「ひゃっ!」と短く悲鳴をあげて硬直してしまった。 「今ハクシャクサマを呼んでくるからまってるんだぞ!」 驚いて固まっている女の子に構うことなく、ヨハンは伯爵の元に向かった。 「あ、あの!私はどこでまっていたら……」 広すぎる玄関に少女の小さな声は響くことはなかった。
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