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ヘレンはグラド伯爵の部屋を出て、廊下を歩いていた。
廊下はとても長く一本道で遠くが暗くなっていた。
その、小さく暗い方からなきかがこちらへ向かっているのがわかった。
「チチッ」
だんだん近づいてくるそれはヨハンだった。
「あら?そんなに急いでどうしたの?」
「ヘレン!人間の女の子がお城に入っちゃったから、ハクシャクサマに報告にいくんだ!」
「人間の女の子?どこにいるの?」
「げんかんだよ!」
「……ふむ……。では私はお先に玄関へ行くわ。あなたは伯爵に報告してきて頂戴」
「うん!わかった!」
ヨハンは再び速度を上げてグラド伯爵の部屋へと向かった。
「その『女の子』を置いていくなんて、イワンらしいわね」
「ヂッ」
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