第1章 夜

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ヘレンはグラド伯爵の部屋を出て、廊下を歩いていた。 廊下はとても長く一本道で遠くが暗くなっていた。 その、小さく暗い方からなきかがこちらへ向かっているのがわかった。 「チチッ」 だんだん近づいてくるそれはヨハンだった。 「あら?そんなに急いでどうしたの?」 「ヘレン!人間の女の子がお城に入っちゃったから、ハクシャクサマに報告にいくんだ!」 「人間の女の子?どこにいるの?」 「げんかんだよ!」 「……ふむ……。では私はお先に玄関へ行くわ。あなたは伯爵に報告してきて頂戴」 「うん!わかった!」 ヨハンは再び速度を上げてグラド伯爵の部屋へと向かった。 「その『女の子』を置いていくなんて、イワンらしいわね」 「ヂッ」
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