古傷

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迅は悲しそうに思い出していた 迅 「そうだな……あれは俺がまだまだ小さかった頃だ……当たり前だが俺は両親と暮らしていた……他から見ればどこにでもいそうなごく普通の家族だった……ある日までは……」 真姫 「ある日?」 迅 「そうだ……忘れもしない……この傷を付けた……あの親の顔……」 真姫 「……えっ!?」 迅 「あぁ……言い方が悪かったか……正確には親に寄生したガーゴイルだ……」 真姫 「えっ?じゃあご両親は……」 迅 「殺された……俺は親に寄生する瞬間をはっきりとみた……そして寄生が終わってガーゴイルの脱け殻の代わりに死んだはずの親が立ち上がった……すぐにわかった……危ない……俺はすぐに逃げようと走り出した……だが小さい子供が大人から逃げられるはずがない……それに寄生された人間は自我を失い……その身体能力は何倍にもはね上がる……もちろん追い付かれこの傷を付けられた……」 真姫 「その後はどうしたんですか?」 迅 「……俺は死ぬと思った……しかしだ……寄生された親……寄生体は留めを刺さずに去って行った……」 真姫 「親の心がそうさせた……」 迅 「どうだろうな……それから気を失ない……目が覚めたら病院で、隣には教官が座っていた……」 真姫 「それで教官のことを知ってたんですね……」 迅 「まぁそうだ……」  
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