人間コンピュータ

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「そんじゃ、一番ポイント取ったヤツの勝ちってことで」 「んじゃ俺から始めるぞ。ガキ、ハートの3」 「持ってないよーだ!バーカ!」 上田と珠は初対面から早速、犬猿の仲になっていた 「上田さん、ハートの3」 次の音無の言葉に一同が驚く 上田が欲しいからこそ請求したカードを、上田に請求した 明らかな矛盾だ 「…くっ…」 そして上田の手からハートの3が出てくる 「まさか本当に持ってるとはね…君達は面白い。自分の持っているカードを、さも持っていないように請求するなんて想定外の行動。まるで場を混乱させることを楽しむのが目的かのようにね…」 音無が不気味に笑う その顔は実に楽しそうだった 終わってみれば実に悲惨な結果だった 音無が6点、珠が3点、溝口が3点、渡邉が1点だった 心理研究部の惨敗だった どのカードがどこに移動したのかというこのゲームの基本となる暗記力だけでなく、どのカードを集め、どの請求がフェイクなのかを見抜く推測力も桁外れだった 音無だけではない 珠も全く同じだった 心理研究部が取った4点は運だけで取ったようなものだった
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