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ポテチゲーム
それは袋に入ったポテトチップスの最後の一枚を食べたら負けというゲームだった
各自、袋に手を入れる前に最大三枚までの宣言をしなければならない
そして手探りで確認しないよう素早く取り出す
「何でもかんでもゲームにするんだな」
四人の耳にはもう素子の声は届いていなかった
「ん~…一枚で」
「何だよヒデ!とんだチキン野郎だな!」
上田は得意気な様子で渡邉に罵声を浴びせる
「負けなきゃいいの~」
「それが最後の一枚じゃなきゃいいけどな…俺は二枚」
溝口も続けて袋に手を入れる
「オレは…三枚!」
「大山ぁ…それは無謀すぎるぞ…」
もう既に結構な枚数が減っていた
「俺はいく!まずは一枚!」
大山の手に一枚のポテトチップスが握られる
「そして……あれ?」
大山は袋の中を手探りで探すもターゲットが見付からない
袋を逆さまにしてみると、もう粉しか落ちてこなかった
「ハハハ!ダッセェー!」
「二枚すら入ってないじゃん」
「宣言前に負けは決まってたってことだな。俺のファインプレーだ」
大山は恥ずかしそうに最後の一枚を口へと放り込んだ
絶妙な塩加減が心に染みた
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