暇人達の休日

4/4
前へ
/44ページ
次へ
「んじゃ、部長の奢りで~」 渡邉が差し出したレシート そこには今日、大量に買い込んだお菓子類が全て記入されている 「はぁ…二千円が吹っ飛ぶ…」 大山は財布から泣く泣く千円札を二枚取りだし、渡邉に渡した 「なぁ、部長。そんなことしなくても部費が余っているんじゃないのか?使いきらないと勿体無いぞ」 風紀委員との一戦が終わった後、心理研究部に当てられる部費は大幅に減った しかし、使い道がないため、素子の言うように余りが出ている 「いや、これは部の卒業旅行費にでもしようかとね」 「ほぅ…ちゃんと考えているんだな。何処に連れていってくれるんだ?」 「夢の国と呼ばれるドリームランドにでもしようかなって」 「な、…国民なら誰もが知っているあのドリームランドか!?」 「んだよ黒木。大声出すなよ」 「すまん…ついな」 「素子さんが嫌なら別なとこに…」 「いや!いい!ドリームランドでいい!」 「あ、そ…」 皆、初めて見る素子の姿に戸惑いを感じた 素子は椅子から立ち上がり、落ち着かない様子で部屋をうろうろしだした その目は子供のような期待に満ち溢れている目だった 素子の心の中は誰の目から見ても明らかだった
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

416人が本棚に入れています
本棚に追加