突然の来訪者

2/4
前へ
/44ページ
次へ
「さて…そろそろお開きかね」 大山が時計を見て、そう言った 部室が地下にあるため、外の様子は全く分からないが、恐らく暗くなってきたころだろう 大量に買ってきたお菓子は全て片づけられていた 「ちょっと物足りない気もするけど…まっ、いいか」 溝口も上着を着て、帰り支度を済ませる その時、ドアをノックする音が聞こえてきた こんな時間に、ましてやこんな部活を訪ねてくる物好きに心当たりはなかった 皆、顔を見合わせるが首を傾げて互いに返事をする 「…どうぞ。開いてますから」 大山の言葉に反応して、ドアが静かに開いた 「どうも。きちんと会話するのは今日が初めてかな」 「…あんたみたいな有名人が何の用で?」 「ふふふ…君も今や立派な有名人じゃないか。噂通り、疑り深い人だね」 音無 鈴(オトナシ リン) 神之矢学園一の秀才にして容姿端麗 生徒会長選挙で政宗に惜しくも数票差で負けたが、そのカリスマ性は高い 【勉学部】の部長を務めている 勉学部には音無見たさに入部する女子が後を立たない 音無に認められようと勉学に励み、ここ最近の学力が右上がりの傾向を見せている
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

416人が本棚に入れています
本棚に追加