突然の来訪者

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音無と珠は言われたようにテーブルの周りへと座る 「んで、何で勝負するわけ?」 大山がトランプを切りながら尋ねる 「君達の得意な勝負でいいよ」 「ふ~ん…【オーサーズ】って知ってる?」 「いや。教えてくれないか?」 【オーサーズ】 トランプゲームの一種だ 名前の通り、カードを請求するゲーム 「Bさん、ダイヤの5」 このように、名前とカードを指名する 指名された人は指名されたカードを持っていれば、そのカードを渡す 持ってなければターン終了 これを繰り返し、同じ数字のカードを四枚集めることができれば、それを皆に見せ、自分のポイントとなる その四枚は手札から取り除かれるというもの このゲーム、一見すると運だけしか必要が無いように見える 「これは面白そうだね。いや、実に頭を使うゲームだ」 簡単な説明だけで音無はルールを理解した 「これが、あんた達みたいな馬鹿に出来るんだ」 音無だけでなく珠も理解したようだった 「んじゃ、早速やろうか」 「あぁ、ちょっと待ってくれ」 音無は珠に目配せで合図を出す 珠はポケットから封筒を一枚取り出した 「もし、我々が勝利したらこの封筒を受け取っていただきたい」 「まぁ…構わないけど…」 大山は特に気にも止めずにカードを配り出した
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