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プロローグ 「Da eNd」
もしも、この世界を二分化するというのならば、それは、安易に陰と陽みたいな安易な表裏ではなく徹底した有と無であろう。
そして、ただ無駄に有で無機質な物質だけの、この宇宙に色を付けたのは、知的生命体とされる生物達が産み出した感情という不条理に違いないだろう。
それが、幸か不幸かなのかは実際の所は誰にも分からない。
そして、この世界がどういう位置にあるのかすら永遠に誰にも知る事すら出来ないのだ。
そう、例えるなら私達には二次元すら三次元でなければ見る事は叶わず、四次元の視野からすれば三次元は密室に他ならない。
あまりに大きく違う位置から別次元の風景を眺める意味というのは、虚無に等しい。
二次元の本質など私達には見えやしないのだから。
仮に奇跡的にその行為の意義を理解したとして、その時に見えた位置ですらも、実は虚無なのだ。
だから、私達にはこの宇宙の理における位置など知り得なくて当然だろう。
それと同格に、真理とは知る物ではない。
ましてや、幸せか不幸かなんて、物質の意義なんて、個々で決定すべきものなのだ。
だからこそ、虚無というこの様々な世界が、千差万別に形を成してまた消えていく、その意義なき意義を見据えてみたいと思う。
その行為を経過の旅と呼ぶ事にしよう。
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