第1話・着払いのプレゼント

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 人間を荷物にして送った場合、法律に違反しないで罪にはなったりしないのか?  ・・・・いやしかし、そんな法律は聞いたことがない。  というよりも、まさか人間が荷物になって送られてくるなんて! 休日もゆっくり過ごせないのか、俺は。  あまりの突飛な出来事に頭がついて行かず、全く関係のないことを考え出す始末。  これは現実逃避以外の何者でもないだろう。  暫くそうして彼が考えに考えを重ねてようやく出した結論は、『聞いてみなければ何も分からない』だった。  この目の前の少女の存在自体、今の今まで全く知らなかったのに、幾ら考えたところで結論なんて出るはずが無い。  さて、当のまりなは呆けて考え事ばかりをしている直哉に飽きたのか、狭い直哉の部屋を勝手に物色し始めていた。  直哉がようやく我に返った頃、その目に飛び込んできたのは、食料品の詰まった袋の空袋などが少々散乱している光景だった。  ふと横を見るとキッチンの戸棚を開け、インスタントラーメンをそのままかじっているまりなの姿が目に入った。  何が起こったんだ、  一体――――――・・・・?  
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