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2つ返事で夏彦の了承を得た直哉は、次に春人のマンションへ向かった。
ピンポーン
オートロックなので、1階のフロアにあるインターフォンを鳴らした。
「まだ、寝てるのかな」
ピンポーン
再びインターフォンを押す。やはり返事が無い。
少し待ってみたが、インターフォンは、うんともすんとも言わないのだ。
仕方ない、出直すか――――と思ったその時、
『・・・・はい。どちらさん?』
寝起きの、不機嫌な春人の声がインターフォン越しに聞こえた。
そりゃそうだ。まだ午前10時前なのだから。
遅くまで芳男の大失恋パーティーをしていた男3人は、夢の中の真っ最中の筈だ。
芳男の為の宴会が、そう簡単に幕を下ろす筈が無い。
そういえば、着払いの宅配便でまりなが届いた時、宅配便の強引な兄ちゃんへの対応、自分もこんな感じだったんだろうな、と直哉は思い出して少し笑った。
――いやいや。君の場合、もっと酷かったと思うのだが。
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