最終話・プレゼント

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  「・・・・そっか。なら、いいや! お前が優柔不断な事してたら、ブン殴ってやろうと思ったけど。後さっ、ちゃんとまりなちゃんの事、抱きしめてやったか? まりなちゃん、この世から消えたりしないよな?」 「ああ」 「それは良かった。・・・・彼女を、泣かすなよ」 「ああ」 「じゃ、大丈夫だな。直哉だったら、誰よりもまりなちゃんを幸せに出来るさ」 「芳男・・・・」 「俺は天下の咲田芳男様だぜ? 1回の失恋くらいでそうそうメゲるヤワな男じゃねーよ。仕方ないから、まりなちゃんは直哉に譲ってやるよ! 俺がホンキ出したら、すぐまた出逢いはあるし、女の子はまりなちゃん以外にも沢山居るんだ! また、新しい恋を探すさ」 当分無理だと思うけど、というのは、心の中にしまっておく。 だって、あんなに恋焦がれて愛しいと思う気持ち、すぐに忘れる訳、無い。 けど、好きになった女の幸せは、たとえ自分が傷ついても願いたい。 今やっと、そう思えるようになったのだった。 押し付けるだけの愛じゃなく、直哉やまりなのように、自分が傷ついても相手を幸せに願う愛もあるのだと、2人に教えられたから・・・・。
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