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現在、17時50分。
まりなは昼過ぎから待ち合わせの噴水の近くにずっと座って、愛しい愛しい待ち人――直哉を待っていた。
「まりな!」
待ち人の彼は、時間より前にやってきた。
几帳面な性格が、待ち合わせひとつでもよく解る。
「直哉! 待っていたのだ!!」
今日は誰にも相手をしてもらえなかったので、直哉の姿を見たとたん、ものすごい笑顔になって、がばっ、と人目をはばからず、直哉に抱きついた。「待っていたのだ~! 淋しかったのだ~!!」
「あ、コ、コラ!」
大勢の人が見ているから、と直哉はまりなを引き剥がし、代わりに照れくさそうに手を繋いだ。
「ちょっと、行きたいところがあるんだ。付き合ってくれるか?」
「モチロンなのだ! ドコでもお供するのだ!」まりなは嬉しそうに微笑んだ。
2人は仲良く手を繋ぎ、まりなは今日誰からも相手にされず、淋しかった、等と会話を楽しみながら、緑の花公園の方へと歩いて行った。
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