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戸惑うまりなに、直哉が微笑みかけた。そしてこっそり耳打ちをする。「まりなさ、前に誕生日が解らないって言ってただろ? だから、今日を誕生日にする。まりなが人間になった、この世に誕生した証だよ。今日という日が、まりなの誕生日だ。今から、まりなの誕生日会やるから」
「ウソ・・・・」まりなが息を呑んだ。
「嘘じゃない。皆、お前の為に・・・・お前の誕生日を祝う為に、集まってくれたんだ」
「みんな・・・・オレの為に?」
まりなは、みるみるうちに涙目になっていった。
用事って、この事だったんだ。
皆、忙しいって言ってたのも、この為に・・・・・。
「あ、泣くなよ・・・」直哉があせったが、時、既に遅し。
「うわーんっ! みんな、アリガト――――!! オレ、ホントにホントに嬉しいよ~~~ッ!!!」
まりなが、感激して大泣きした。
「直哉、まりなちゃんを泣かすなって言っただろ!」
芳男の冗談が飛んできた。
「ええっ!? そんなつもりじゃ・・・・」
直哉が冷や汗をかいている。
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