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「では、あの・・・私達、行きます」
昌を抱いた母親が、茜と入れ替わり、まりなにプレゼントを渡した。
可愛らしいギンガムチェックの袋に入ったものだ。
「開けていい?」と尋ねると、勿論、と母親は頷く。
それは、可愛いピンクのキャップ帽だった。
スポーティーな格好を好むまりなには、良く似合うだろう。
「まあ、だう~~~~~!」
昌が手を伸ばし、まりなの頬を撫でた。
「まりなちゃん、本当にこの子が居なくなったときは、面倒をみてくれて、有難う。その帽子、昌とお揃いなんですよ。また、昌と遊んでやって下さいね」
「まい・・・まぃな。まぃな!」昌がまりなの名前を呼んだ。「あ、今・・・オレの名前・・・・・・」
きっと、これは、昌からのプレゼントなんだろう。
嬉しいな。名前を呼んでくれた。
「また、何時でも遊ぼう!」
まりなは昌の小さな手を握って、握手を交わした。
「じゃあ、次は私達に行かせてくれ」
浩介と妻の冬美が、昌の母親達と入れ替わり、とても豪華で、夏らしい色を織り交ぜて作られた花束を渡した。
「この前は私達夫婦の事で、色々迷惑を掛けてすまなかった。まりなちゃんのお陰で、親父ともお袋とも、仲直りする事が出来たよ。本当に有難う。コレからは親孝行いっぱいして、2人をもっともっと楽にさせてやって、幸せにするから。約束するよ」
「ウン! コレからはいっぱい、爺ちゃん達と皆で幸せになるのだ!!」
彼ら家族5人の幸せを願って、まりなは微笑んだ。
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