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「直哉・・・・コレ・・・・・・」まりなが大きく目を見開いた。
不良達に破かれてしまった、あの、ワンピースだ。
直哉と初めて行ったデパートで買ってくれた、あのワンピース。
想い出がつまった、とっても大切にしていた、彼女の一番の宝物。
「約束しただろ? 何度でも、プレゼントするって」直哉が微笑んだ。
まりなにプレゼントするのは、これしか無いと思っていた。
電車を乗り継ぎ、デパートを何軒も走り回って必死に探して、ようやく同じものを見つけたのだ。
彼女が、最高の笑顔で喜んでくれる為に。
「まりな。誕生日おめでとう。来年も、再来年も、ずっと先も、その先も、一緒にお祝いしような」
「直哉・・・・ッ!!」
まりなは感激のあまり直哉の胸に飛びついて、再び泣いた。
何でこの人は、出逢った時から、こんなにオレを幸せにしてくれるのだろう。
傍に居てくれるだけで、いいのに。
貴方が居てくれたら、それだけでもう十分なのに―――――
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