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「その食料はな、今後の俺の生活にとって凄く! 貴重なものだから・・・・」
「ウン。だから?」
「だからだな、そのラーメンは――――」
ぐううううう~
言いかけた直哉の言葉を遮るように、まりなの腹が鳴る。
絶句した直哉は冷ややかにまりなを見据えた。まりなは笑ってごまかすが、お腹空いたよ~という顔で直哉を見つめ返す。
「・・・・はぁ」
その瞳に負けた直哉はため息をつき、最後のラーメンをまりなからひょいと取り上げてキッチンに立ち、その袋を開けて鍋に水を張り湯を沸かし始めた。
「ナニか作ってくれるの!?」
様子を見たまりなが歓喜の瞳を直哉に向ける。
ああ、もっと解って欲しいこの食糧難、もとい冷蔵庫事情。
「腹減ってるんだろ。ラーメン、食べて行けよ。・・お前は一応客なんだから」
但し、着払いのな。と心で付け足す。
だいたい人の家に来るのに着払いで来るなんて、非常識も甚だしい。
「ほら、こっちに座れよ」
本当なら怒って追い出すところだが・・・・。
彼は口は悪いが、本当に優しい男だ。
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