第1話・着払いのプレゼント

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  「やっぱり直哉は優しいのだ!」  まりなは喜んで微笑み一杯で直哉に抱きつく。 「うっ、うわっ・・ちょっ・・・・コラ!! 何だお前、そのニオイはっ!!」  まりなに抱きつかれた途端、直哉の鼻を強烈な悪臭がついた。 「ん? ナニか匂う?」  直哉にそう言われたのが気になって、まりなは自分の腕などの体臭を嗅いでみるが、首を捻るだけでキョトンとしている。  その様子に直哉は頭を抱え、尋ねた。「お前・・・・風呂、入ってるか?」 すると、まりなは血相を変えて、叫んだ。 「お風呂!? 冗談じゃないのだ! オレ、お風呂大嫌いなのだ!!」  顔色を青くしてぶるぶると首を左右に振る。尋常ではない嫌がり様である。 「何言ってるんだよ! お前、じゃあ風呂は入らないっていうのかよ?」 「そんなの、入る訳ないのだっっっ!!」  返事がこれだ。直哉は唖然としてまりなを見つめた。
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