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「ご、ゴメン! 泣くなよ・・・・でもな、日本には風呂には毎日入るという習慣が何時の頃からついてだな、それで入らないといけないという法律はないんだけどでも、その・・・・ああ! な、泣くなよ!!」
自分のせいで泣き出してしまった子供をあやすように、慌てて何とか慰め泣き止ませようと努力するが、まりなは顔を覆ったまま顔を上げようとはしない。
仕方ないので「まりな、嫌なことかも知れないけどな、風呂くらい入ろう? 女の子だろ? 風呂に入ったら飯作ってやるから!」と言った。
着払いの客をここまでもてなす主も珍しい。そう思うのは私(この文章を説明しているナレーター)だけであろうか。
「・・・・ホント?」
その言葉に反応してようやく顔を上げるまりな。大変現金なヤツである。
「約束してくれる?」
「ああ、わかった。約束だ。だから泣き止め」
甘い!! 甘いなあ、直哉。
直哉がそんな風に優しいから、着払いの客が自分の家でもないのに大きな顔をするのだ。
「わかったのだ! オレ、泣き止む!」
さっきまではあんなに泣いていたのに、ご飯を作ってやるの一言でおとなしくなるまりなって一体・・・・。
直哉は肩を落とし、うなだれた。
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