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冷たい布団に突っ込んだせいで少し頭が冷え、冷静さを取り戻す事が出来た。
折角の休日が、怒鳴ったりわめいたり怒ったり(ほとんど同じだけど)で散々だ。
早々に帰ってもらわないと、こっちの身が持たない。
とにかく風呂から出たらもう帰ってもらおう。別に目的があって来てる訳じゃなさそうだし。
――――ただ、一つ気になる事があった。
まりなが自分の事を【知っている】事だ。
何故だろう。
直哉は考えてみたが、記憶に思い当たる節はない。
それもその筈。まりなとは今日が初対面なのだから。
向こう──まりなが勝手に直哉の事を知っているだけで、こちらは知らないのだ。
今まで彼女の強引さに負けてそんなこと考えている暇はなかったが、一体何者なのかを問いただす必要はありそうだ。誰かの悪質な冗談なら探し出してシメなければならない、と、彼は誓った。
三千八百六十二円に利子+迷惑賃+ラーメン代を返して貰わなければ、と。
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