第1話・着払いのプレゼント

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 羨ましくかつ、おいしいシチュエーションも、直哉にとってはそうでなかった。  彼は過去、とある事件のお陰で女性が苦手になってしまったので、女性に対する免疫が殆ど無いのだ。  先程、まりなの裸事件でプッツンしたばかりなのに。 「な、あ、お前っ・・・・む・・・・胸、当たって・・・・る・・・・・・」  だから、こんなおいしいシチュエーションも苦手な要因でしかないという訳。 「ん、ナニ? 言いたい事があるなら、はっきり言うのだ~」  もごもごと喋る直哉に対して、まりなが更にきつく抱きつきながら言った。  まりな。それは悪女のする仕草だよ?  追い討ちをかけてどーする。 「・・・・は・・・・離れて、くれ」  緊張の極限の直哉は、顔は真っ赤で、そろそろ失神寸前といった感じだ。 「約束通り、ご飯作ってくれる?」 「作る! 作る作る、何でも作る!! だから、離れてくれ――――っ!!」  瞳をウルウルさせて頼むまりなとは対照的に、悲痛な叫びを上げている直哉。  とにかく彼は羞恥心一杯で、見ていて可哀想になってくるほどだった。
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