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羨ましくかつ、おいしいシチュエーションも、直哉にとってはそうでなかった。
彼は過去、とある事件のお陰で女性が苦手になってしまったので、女性に対する免疫が殆ど無いのだ。
先程、まりなの裸事件でプッツンしたばかりなのに。
「な、あ、お前っ・・・・む・・・・胸、当たって・・・・る・・・・・・」
だから、こんなおいしいシチュエーションも苦手な要因でしかないという訳。
「ん、ナニ? 言いたい事があるなら、はっきり言うのだ~」
もごもごと喋る直哉に対して、まりなが更にきつく抱きつきながら言った。
まりな。それは悪女のする仕草だよ?
追い討ちをかけてどーする。
「・・・・は・・・・離れて、くれ」
緊張の極限の直哉は、顔は真っ赤で、そろそろ失神寸前といった感じだ。
「約束通り、ご飯作ってくれる?」
「作る! 作る作る、何でも作る!! だから、離れてくれ――――っ!!」
瞳をウルウルさせて頼むまりなとは対照的に、悲痛な叫びを上げている直哉。
とにかく彼は羞恥心一杯で、見ていて可哀想になってくるほどだった。
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