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ザッザッザッ
ワイパーが単調な動きで音を刻む。
今日は大雨で高速道路が混んでいる。
車の赤いライトがずっと向こうまで続いていて、終わりが見えない。
ったく…
苛々すんなぁ…
晃一はなかなか進んでいかない車の列に、苛立ちを感じていた。
ハンドルを握りながら、何度も舌打ちをする。
そして、雨はさらに強くなる。嵐なのか?と思うくらい風も強い。
ピピ…
ジー
その時、こんな暴風雨で電波が入るわけがないのに、突然ラジオがついた。
あれ?
おかしいな。
晃一の長い夜は嵐の中で始まった。
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