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明美は今日、大島と別れる決意をした。
不倫が悪いコトだとは思わない。
好きなのだから、仕方ないと思っている。
でも……
あの子は、私の赤ちゃんは、私が幸せになることを望んでくれていた。
だから、新しい一歩を踏み出そうという気持ちになれた。
これからは自分の幸せ、考えたっていいんだよね…?
明美は空に浮かぶ一筋の飛行機雲を見た。
飛行機雲を見ると何故か、心が踊る。
私の赤ちゃんもそんな子だったかもしれない。
そう思うと、あの時、飛行機のオモチャを買ったコトも良い方に考えられるようになった。
ねぇ、私の赤ちゃん。
一度も顔を合わせるコトはなかったけど、あなたは私の大切な子だよ。
私、幸せになります。
明美は元気よく、歩きだした。
目の前には希望の光だけが広がっていた。
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