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「うわっ!もうこんな時間だよ。早くしないと初日から遅刻だ!」
俺は焦って1階に下り、母さんに声をかける。
「おはよう母さん」
そんな俺の声が聞こえていないのか、母さんは俺に見向きもしない。
しかも何かすごく考え込んでいる。
「入学式って何着て行けばいいんだろ?」
″母さん……普通のグレーのスーツでいいだろ………。″
というツッコミはあえてしない。
時間がないので俺は焼けたパンを口にくわえ、カバンを背負い家を出た。
「行ってきまーす」
俺の声は服選びをしていた母さんまで聞こえていた。
母さんは何か言っているようだったがドアは容赦なく閉じ、母さんの声を遮断した。
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