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「それじゃなっちゃんは記憶が無いんだ」
「全部が全部って訳じゃないんだけど…
死ぬ前の一年間くらい?
記憶飛んでる」
「でも車に憑いてるくらいだから交通事故で頭強くぶつけたんじゃないの?」
「分かんないよ、だから早くビビって!
むしろ失禁しながら失神して!
別にお互い損な話じゃないじゃん?」
失禁なんかしたら少なくとも僕は漏らし損だ
「だってなっちゃん怖くないんだもの」
「うわ~、オバケに向かってそういう事言うんだ
最っ低だね」
僕にはそのオバケ感覚の最低の基準が分からない
「…そういやアンタ名前何てーの?」
「ハルヒト、石橋春人」
「へ~、春ちゃんねぇ」
なっちゃんは何故かニヤニヤしている
「アタシ…ってーかオバケってねぇ、顔と名前知ってる人なら取り憑くこと出来んだよぉ」
「え、どゆこと…?」
「要は車の中じゃなくても春ちゃんについていくことが出来るわけだよん」
「うわぁ、んじゃ家にもついてくるわけ…?」
「そーゆーことぉ
というワケで今日から春ちゃんのスキを見ては脅かさせて頂きまーす」
「うわー、すごく嫌だ…」
こうして僕の健やかな生活は一人のオバケによって脅かされることになったのでした
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