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吐く息は白い。ポケットに手を突っ込みながらも背筋を伸ばして下校する。街にはイルミネーションが瞬き、クリスマスソングが鳴り渡る。
「もうこんな時期か。気が早いわね、まだ12月になったばかりだってのに」
斜め後ろから生真面目そうな声が言った。ただいつもより口調が弾んでいるような感じがした。が、
「どうでもいいよ、冬は寒いだけで十分だ」
興味もなく返すとため息をつかれた。
「はぁ、あんたはクリスマスって言ってもワクワクしたりしないの?」
「クリスマス云々は関係なしに冬は寒いだけでワクワクするくらい好きだよ」
そんな感想を述べる。
「驚いた、無神経に無反応かと思ったのに妙に子供ッポイのね」
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