白と銀~白銀の抱擁~

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冬は寒ければ寒いほど良かった、それも切れるほど寒い方がいい。心が引き締まるというか、走り出したくなるというか。確かに子供ッポイかも知れないな、と思う。 「雪なんか降ればずっと空を眺めてたよ」 「もしかしたらあなた冬生まれ?」 「ん?、ああ、そうだけど?」 「好きな季節って自分の生まれた季節になるらしいわよ」 「そんなものなのか?」 「どこで聞いたかも忘れたからアテになるか分からないんだけどね」 「…お前も確か冬生まれ?」 紗記は一瞬キョトンとしたかと思うと意外そうな顔をした。 「そうだけど、私の誕生日教えたことあったっけ?」 「いや、何か冬っぽいそんな感じがした。それだけだ」 「む、それは私に対する皮肉かしら?冷たいとか?」 「なんでそうなる。俺は冬が好きだと言ったんだが?」 思ったままに口走り妙な間があいた。 「…え、それってどういう?…」 と言いかけて口をつぐんだ。お互い目が合った。しまった、失言、寒さで緩くなってしまったか、俺、とか考えた。
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