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「冬だよな、確か今冬だよな、しかもクリスマス直前!」
煌びやかなイルミネーションが目にチカチカして、呑気なサンタのテーマソングが俺と光の神経を逆撫でする。こいつの金髪もキラキラと目に悪い。
「悪かったな、一緒なのが俺で。ざまぁみろ」
自身への罵声にもなる台詞に辟易する。しかもカップルを野郎二人で尾行中、何やってんだか俺。
「ま、仕方ないさ。アフターケアもうちの会社の売りだからな」
首を傾げる。一応会社だったのか、というのもだがアフターケアと言うからには何かしら俺の知らない事件があったらしい。
「俺が来る前の事件か?なら俺がストーカーになる理由ねえんじゃねえか」
「あれ、聞いてなかったのか?少なくとも一番知るべきはお前の事件だぞ」
なんか嫌な予感に余計滅入る。
「神様のクローン、その末裔の事件さ」
ため息が白い息に変わり移ろいゆく。どうやら神様はとことん俺が嫌いらしい。
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