赤と金~GOD KNOWS~

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「あーもう、何が何だか分からないわ!なんで?なんで!いきなり、こんな…」 私は声を詰まらせる。 「ん~、ま、別れなんて唐突なもんさ。突然の事故とかで死んでサヨナラってよりはずっと幸せさ。別れを済ませる時間もらえたんだから」 相変わらず軽く答える、人の気も知らずに。 「そんなの詭弁よ、屁理屈よ、偽善よ!なんでここまでやってきて、やっと落ち着いてゆっくり出来ると思ったのに」 「充分過ぎるほど忙しかったもんな。楽しかった、もう消えても構わないってくらい。そう思っちまったよ、不覚にも」 あまにりも幸せそうに語るもんだから私の怒りメーターは振り切れた。 「怖くないの?嫌じゃないの?消えてしまうんでしょう!?」
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