赤と金~GOD KNOWS~

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言葉が出ない。いつもならコイツの軽口に反射的に答えられるのに。 「別れの言葉ずっと考えてたけど、見つからないや。ま、お前の記憶からも消えるから意味はないしな。さてさて、行きますか。じゃあな」 光は席を立つといつもと変わらず歩いて行く、違うのは今日で最後だということだけ。情けなくも私は放心状態でその時何もできなかった。 思考がまとまらない。あれ、なんで私こんなに悲しいんだろう。誰かとここでさっきまで話してたような。思い出せない、でもなんだろう、心にポッカリ穴が空くって表現が分かるのはなんで…混濁した意識の中、私の心を表す輝きが見えた。…涙?硬く握った拳に雫が溢れていた。image=142249742.jpg
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