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「ここからどうやってアンタは未来とかに帰るの?」
ここまでマックスで走ってきたことで私の頭はすっきりしていた。
「いや、それよりなんでここに…」
私はその言葉を遮る。
「私の質問に答えなさい!」
私の剣幕に面喰らうと渋々答えた。
「あ、えっと。あの海に映った夕陽に飛び込めば戻れることになってるんだけど…」
なんて、狼狽しながら言われて、ふざけた帰り方だなぁ、と思った。いつもの軽い調子で言わなかったから本当なんだろう。
「分かったわ」
私はまたダッシュする準備をして、
「行くわよ」
駆け出した。ちょうどラリアットをするような形で光の首を引っ掛け黄金の輝きを目指す。
「ちょっ、待て何考えてんだ!お前も行くつもりかよ!?」
「うるさい!とりあえず行ってから考えるわ!じゃないと納得できない!」
この世界から最後の一歩を飛び出した。戻って来られないことよりも新しい世界に踏み出した高揚感の最初の一歩が勝った。
太陽はいつか沈む。私の名前は朝陽、コイツの名前は光。また太陽は昇る、光は射す。きっと大丈夫だ!そんなとりとめない気持ちで私たちは明日へ翔んだ。
終わり
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