第二十七章 火山の采配

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「はい!!」   ザシュ!!     「届かないの…!  早く、降りてくるの!」       イーオス、ガミザミと続き   ガブラスまでもが レン達に襲いかかってきた。     「く…倒しても倒しても…  はしたないですわ!!」     ズサァァッ!!     火山にはモンスターが うじゃうじゃいる。   それに乗っ取り いろんな種類のモンスターが   次々と現れた。     「ブルファンゴ…!?  皆さん!囲まれています!!」     「………………。」     黙々と、大剣を振るうレンも   チラッと、横目で 周りの様子を、うかがう。       ゴゴゴゴゴゴゴゴ…     火山の灼熱が 更に四人の体力を   消耗させる。       だが   ザコ敵だから、いいものの ボスクラスの強敵がいたら   一筋縄では、いかない。       そう。     これまでが平和すぎた。     ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!     「レン、危ない!」   「…………っ…!?」   バチィン!!     「………う…っ!!」     ガブラスの尻尾が レンの肩に直撃した!     ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!!     「よくも…!!」     レンが、ひるんだ瞬間に リアがガブラスに突っ込む!     ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!     「待ってください!!」     それを   セトが制した。     「…な、何ですの!?」    リアは動きを止め セトを確認する。     …が     ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!     「これは溶岩の  音なんかじゃないの!!」     クルルが叫んだ。     そう。     周りの騒音に   気付くのが 遅れてしまったのだ。       ドゴォォォォォォォォォォンッ!!!       「な…っ!!?」     壁が   ブチ破られていた。     「ギャァァアア!ギャァァアアアア…!」     ガブラスやブルファンゴの群も 一斉に逃げていく。     「あ……あ……!?」     その巨大な影に 四人は驚愕のカオを浮かべた。     「…フー…フー…!!」     その巨大な影は…   周りの生物を硬直させる。     「か、火山の…支配者です…」     セトが言う。     その名も   岩壁の皮膚を持つ飛竜…   グラビモスだった。
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