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ピピピ…チュンチュン…チチチ…。
朝日が昇り始める。
名も無き村は
その明るさとともに
一日が始まろうとしている。
「…すぅ…すぅ…。」
「んん…」
「…く~…」
名も無き村の中には
プレハブ小屋が建てられ
冒険者や商人の
宿泊施設がある。
その一つのプレハブに
5人の仲間が集まっていた。
その中の3人、
14、5歳ほどの少女が
スヤスヤと
眠っている。
一人は蒼色の髪の少女。
一人は薄紫の髪の少女。
一人は水色の髪の少女。
そして外には、残りの二人。
一人は銀色の髪の少女。
一人は白髪の髪の男性。
男性は全身
鎧に包まれているが
頭のヘルムだけ、はずしていた。
「ねぇ、ロベルト…
サイオン村…だっけ?」
「は…リア殿…」
「サイオン村で起きた出来事
本当なのね…?」
「………」
片目が潰れた
白髪の男性は
かなり
渋いカオをした。
「リア殿…」
「…?」
白髪の髪の男性は
銀色の髪の少女に謝る。
「あの事件…
このロベルト=カルリーニさえ
しっかりしていれば
防げた出来事でした!!」
言うと白髪の男性は
銀髪の少女に頭を下げる。
「…カオを上げなさいロベルト。
お母さんに
ツラい思いをさせたのも
わたしも同じだわ」
「し…しかし…!!」
「いいから聞きなさい」
少女は冷静に言う。
「あの村にアナタを恨む人は
絶対いないわ
…むしろ感謝してるもの」
少女の言葉が
男性に突き刺さる。
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