第二十七章 火山の采配

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「5歳の時に  わたしはポッケ村に着いた」   リアはロベルトに語り出す。   「ひ…ひとりでですか!?」   「…いや、その時は二人  ほら、3歳の頃から  お世話になってるあの人」     リアとレンの成長を 見てきた人物。     「あぁ、レコ殿…!」     レコ姉さんと慕う教官だった。     「村を出て行く前に  ばったり会っちゃってさ」   4歳になる前の頃 村を出て行くと決めた時   村の外で教官に出会った。     「その時…言われたの」     リアは 噛みしめるように言った。     「もう…親に  会えなくなるかも…って」   「リア…殿…」     「…覚悟できてるって  言ったらさ…」   リアは自分の鵬に 手を当てて   「ばちーんって  ぶたれちゃった…」     リアは…笑っていた。     「でも…なんだかね  引き下がれなくなった  自分がそこにいて…」     スッと立ち上がる。     「それが気持ちよかった!」     「…!」     そして   元気に笑って見せた。       「お母さんのお墓参り  絶対、付き合ってよね!  ロベルト!!」     「リア殿…!」     銀色の髪の少女は 髪をなびかせ   カオを見せることなく 部屋に帰っていった。       その場。   ロベルトだけが残る。         「なんという…  強い子なんだ…」     決して弱音を吐かない子で あったが   きっと、心はボロボロなはず。       「…安心してください  フォンタン殿…貴方の娘達は…  立派に輝いています」     白髪の男性は   たたずみ   ヘルムをかぶる。       スピアと呼ばれる武器を 手に持つと     早朝の巡回を再開した。
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