第二十七章 火山の采配

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「これでよし、と」   そしてお昼になる。     「準備できたかしら?」   「火薬草持った、回復薬も  解毒薬もある…」   「生命の粉塵も千里眼の薬も  あると便利なの」   「わ…忘れてました…!」   「…やれやれ、なの」       全員、着替えを済まし   もう一度 身の回りを確認する。     「おお、みなさま  行ってしまわれますか!」     すると 丁度、ロベルト=カルリーニが レン達のそばにやってきた。     「お疲れさま、ロベルト  もう出発しますわ」     リアが最初に声をかける。     「そうですか  火山は灼熱地獄  クーラードリンクは必須ですぞ」   「…あ」     ついつい 声に出たセトとクルル。     クーラードリンクを買いに そそくさと戻っていった。       「ロベルト、世話になったわね」   この場にはロベルト そしてリアとレンが残っている。     「いえ、リア殿達の為なら  このロベルト=カルリーニ  命に代えて、お守りします」   「………………。」   「ほら、レン  アナタもお礼を言いなさい」     リアがレンをうながす。   「…………ん…。」     だがレンはリアの後ろで もじもじしていた。     どうやら、久しぶりに会った ロベルトに対して   どう接していいか 迷っているらしい。       「ロベルトはわたし達の為に  ずっと寝ずに  部屋を管理していたのよ」   「…………え…?」     レンはチラっとロベルトを見る。     そして 小さい声ながらも   はっきりお礼を言った。     「…ロベ…ルト…  ……あり…がと…。」   「ははは、このロベルト=カルリーニ  お役に立てて光栄です」     すると セトとクルルが帰ってくる。     「戻りましたぁ」   「みんなの分も  買ってきたの」     「あら、わたしは  もう持ってますわ」   「…あぼーん、なの」       そして、4人が揃った。   「それじゃ  ロベルト、お別れね」     リアが言うと ロベルトも頭を下げた。       「ここで貴女方と  出会えたこと…実は  予想しておりました」       「…え?」       ロベルトの意外な一言。     「そう言えば、リア殿。  このロベルト=カルリーニ  なぜ、ここにいるのか  話してなかったですね…」
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