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ロベルトは、ヘルムをかぶったまま
リアに思い詰めたように言う。
「このロベルト=カルリーニ
あるメンバーと一緒に
ここにやって参りました」
「…?」
リアは分からないと
首をかしげる。
「そして、そのメンバーは
火山へ向かいました」
言うとロベルトはまたも
ヘルムをはずす。
すると、年老いた老人の姿が
現れた。
「…………あ…。」
レンが、気付く。
「リア殿、レン殿!」
突然、カオを上げるロベルト。
「この火山を越えた先、
貴女の父様はおられます」
「…お父…さん!?」
「ぜひとも、
ご対面なさってください」
4人に敬礼した。
「お父さん…!やっぱり…」
「…おとう…さん…。」
レンは、おもむろに
ロベルトにしがみついた。
「…ロベルト…ごめんね…
…会いに…いくから…。」
鎧が堅い…。
それでもレンは
頬を当てて
ロベルトに抱きつく。
小さい頃から
面倒を見ている村の兵士。
いわば、
おじいちゃんのような存在。
緑色の鎧からカオを離すと
「このロベルト=カルリーニ
皆様のご無事を
心より祈っています」
ロベルトの言葉を背に
レン、リア、セト、クルルは
火山へと向かった。
我が父親に会うために。
その足取りは小さいが
力強い一歩だった。
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