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ゴゴゴゴゴ…。
あちらこちらで
地鳴りが聞こえてくる。
辺りは黒いモヤが、かかり
空も暗く
周りも殺気立ってきた。
「あ…あついの…」
「さすがに暑さには
慣れてませんわね…」
相変わらずなクルルに
珍しく本音を言うリア。
文字通り
エルデ火山に到着した。
「………………。」
一方で
鋭い眼つきで前を行くレン。
さらに、セトが中間を歩く。
「ナーサリーさん、早いですよ…
もう少し後ろを
考えてください…」
「…………あ…。」
セトに言われて
クルっと振り返ったレン。
見れば
リアとクルルが一番後ろだった。
それを振るように
リアが答える。
「…そうかレン、アナタ一度
ここに来たことあるわね?」
「………………。」
無言でうなづくレン。
レンは、一度だけ
この火山に訪れていた。
「まぁ、道は…分かるのね…」
リアは少々
息遣いが荒くなっている。
「はぁ…いいわ…
早く進みますわ…」
それに
気付かない仲間はいない。
「ライムさん…
息があがってませんか?」
「ふぅ……、…え!?」
…リアは
息を大きく吐いた。
「…疲れたの」
クルルが間入れず
セトに向かって言う。
「ライムさんは雪国の人なので
熱帯はニガテなのでしょう」
セトはレンにも
聞こえるように言うと
「…おねえちゃん…。」
レンもリアの方へ戻って来る。
「平気…ですわ…
このくらい…」
「無理は禁物ですよ?
わたくしが
無理だと判断したら
休憩にしますからね」
セトはリアだけでなく
レンにも向かって言った。
「もう、休むの…」
クルルはセトに
またも言う。
だが…
「先に進みましょう
時間は一刻を争いますわ」
リアは再び歩き出した。
「さすがはライムさんですね」
「…………ん…。」
レンもセトもリアに続いて歩く。
「…も~、少しはボクの事も
心配してほしいの!」
全然
相手にしてくれないクルル。
クルルは不満げに
しぶしぶ
後ろから付いて行った。
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