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『あ……!』
詩織と綾香の焦った声が重なる。
何を落としたのか視線を送ると……肉などを切るために使う料理用の鋭く分厚いハサミが落ちていた。
「そ、そのハサミ、何に使うつもりだったの……?」
誠は何故か寒気を覚えながら質問する。
「いや~……悪さする前に、いっそのことちょん切ってやろうかと……アハハハハ」
明後日の方向を向いたまま、渇いた笑いを漏らす綾香。
「アハハハハハハハハハ……」
笑っている誠の口内がカラカラに渇いてくる。
いったい何をちょん切るつもりだったのだろうか…?
滝のような冷汗を流し、ドリルのような鳥肌を立てながら誠は後ずさった。
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