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男達はしきりに声を掛けるが、下を向いたまま返事をしない。
由希は体を硬くし、目をつぶりながら震えていた。
「由希ーー!」
さらに近づいた誠は由希に聞こえるように声を張り上げる。
由希はパッと顔を上げると誠に走り寄り、その胸に飛びこんだた。
「なんだよ、男連れかよ…」
ナンパ男達はバツの悪そうな顔をして去っていった。
「ゴメンな。少し遅くなっちまった。恐かったろ?」
誠にしがみ付いたままフルフルと首を振る。
しがみ付いた手が少し震えている。
心配かけまいと嘘を言っているのは明らかだった。
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