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「……あ、あのね。兄様を待つんだったら……三十分でも一時間でも一瞬なの!」
誠はその言葉に胸が熱くなるのを感じた。
「有難う、由希」
そう言うと、誠はまた由希を撫でる。
由希は嬉しそうに目を細め、誠の服の裾を小さく掴みながらされるがままになっていた。
(あの男が憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い)
(殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる)
(スネーク。指令だ!今から言うターゲットを二十四時間以内に……)
誠の背中にかつてないほどの悪寒が走る。
「ゆ、由希。とりあえず場所を変えよう!」
誠は由希の手を引き、脱兎のごとく逃げ出した。
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