序章

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  山吹千尋…。 あの、お天気キャスターの山吹千尋か? どういう縁があるのか知らないが、何故か先輩の友人だという、人気のお天気キャスターだ。 かくいう俺もファンだったりする。 一度会ったことがあり、そのときはサインと握手をしていただいたのだが…。 『助けてください』というのが穏やかじゃないな。 「とにかく、こいつを見てみるか…」 俺はパソコンにSDカードを差し込んだ。 赤坂真奈美もやってきて、緑川優子と共に、興味津々の様子で覗き込む。 SDカードには、動画ファイルが一つだけ保存されていた。 ファイルを開き、動画を再生してみる。 パソコンのモニターに映し出された映像は暗く、粗いものだった。 ビデオカメラで撮影した映像らしく、日付と時間が表示されている。 ごく最近のものだ。 どこかの部屋だろうか。 いくつかの家具が確認できる。 カメラの視点は部屋の隅から、一つのドアを映し出していた。 それにしてもノイズがひどい。映像自体が暗いうえに、ノイズが混じるものだから、見にくくてしょうがない。 その映像に変化が起きた。 激しいノイズの後に、部屋の中で何かが動いたのだ。 カメラのすぐ近くを、黒い影が一瞬、横切る。 再び、激しいノイズ。

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