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そんな春日に侠はクスクス笑う。
「どうした?侠。」
「だって春日。―…鏡みて?」
春日は自分の姿を映す鏡を覗くと、歯磨き粉がべっちょり口についていた。
――この顔で笑顔しても全くもって様にならない。
「ちょ、侠?そこはツッコまないで。」
春日は赤面しつつ慌てて口を濯(ゆす)ぎ、口元も一緒に流す。
そんな春日に侠は微笑む。
まさか自分が龍平を失った『あの時』から誰か龍平以外を愛し、こうして幸せと思える日々を過ごすとは思わなかった。
否考え様ともしなかった。
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