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数分後、桧山は腕を枕にして爆睡していた。
この絶好の機会に、何か仕返しが出来ないかと考えていた。
何がいいだろう。日頃の恨みを倍にして返してやる。
バッグの中を漁ると、今日水泳の授業で使った水鉄砲があった。
これだ。
早速水を入れてきて、銃口を、桧山の無防備な背中に向ける。
突っ張っているワイシャツから下着の線が薄く透けていて、不覚にも見とれた。
頭を振って煩悩を振り払い、引き金を引いた。何度も。
真っ白なワイシャツに、水の染みがどんどん広がっていく。下着の線がことさらはっきりと見えた。
桧山は驚いたように上半身を起こし、顔を振り返らせて濡れた背中を見て、俺を見た。
「あはははははは!」
高笑いしながら、急いでドアまで走る。
状況を理解できていないような、訳が分からないといった顔をして、俺と背中を交互に見ている。
「アハハハ!アハ!アハハハ!」
愕然とする桧山を指差して笑い、ドアから出た。
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