†第2球† 残酷な現実

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マウンドの踏み心地を確かめながら,ホームでグローブを構えて待つ亮の元に投球練習の球を放つ。 もちろん,投球練習で本気の球なんて見せたりはしない。 お前も悔しかったんだな亮? いつにもなく良い目をしている。 見てろよ皮かぶりの極悪先輩ども? コイツらを倒せば俺たちは認められるんだろ? …やってやるッ! 「ルールは簡単だ。 6人の優秀1年組から1人でも三振を取ったらお前らの勝ちだ。」 たった1人? ………つくづくバカにされたもんだな。 でも,今は余計な事は言わない方が良い気がするから黙っておこう。 「……分かりました。」 「よしッ,じゃあ始めろ。」 1人目のバッターがバッターボックスに立って構える。 よく見てろよお前らッ! 思いっきり振りかぶって,初球から全力で亮の構える所に向けて投げる。 バシンッーーーーーーーーー バッターは全く動く事なく,俺の手から離れた豪速球は亮のグローブの中に埋まった。 どうだ,見たかお前ら?反応も出来てやしねぇじゃねぇか。 期待を裏切り,辺りを包む完全なる静寂。 俺の豪速球に対しての反応は一切ない。 「……ふんッ。」 いや,あった。 あのバッターの野郎,見逃しといて鼻で笑いやがった。 「ナイボー,ナイボーッ! ちゃんと球走ってるよ京介。」 亮が俺に掛けた声で静寂が破られた。
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