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俺たちはグラウンドで膝をついてうなだれていた。
あれから5球で勝負がついた。
風を切るように進んでいった俺の豪速球を,ホームランゾーンいくかいかないかギリギリのスリーベース級ヒットを打たれたのは5分前の事。
その2人目の3ベースを始めとして,2ベース……2ベース……ホームラン………
そして,今まさにラストの6人目に打たれたホームラン………。
全員に初球から打たれたから,あれから俺が投げた球はたったの5球。
俺たちは三振どころかアウト1つ取れる事なく終わった。
「………………。」
「………………。」
全く口を開く事が出来なくなったうなだれた俺たちに,あのウザい先輩たちを先頭に部員たちが寄ってきた。
「これで分かったか?
お前らは所詮,井の中の蛙に過ぎねぇってこと。
それを良い気になりやがって,調子に乗りやがってよぉ……野球ナメんなよッ!?
ここはお前らが過ごしてきた,おちゃらけた野球人生とは世界が違うんだよッ!!」
悔しいのに…心の底から悔しいのに何も返す言葉がなかった。
ホントに何を浮かれて調子に乗っていたんだろう俺たちは……。
………ホントバカだ。
「もしお前らがホントに野球が好きで,まだ野球がやりたいって思うならこの部には入らねぇ方が良い。
お前らみたいに使えねぇ奴は白桜野球部に必要ない。
………中途半端な才能でこんなとこに入っても,可能性を潰されるだけだ。
転校して他の野球部に入るなり,この学校で『野球愛好会』を作るなりするんだな。
おい,誰か動けなくなってるコイツらを練習場からつまみ出せ。
あと,先輩たちが帰ってくる前に早くグラウンドならしとけよ。」
「はいッ!」
悔しくて悔しくて涙が止まらなかった。
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