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校地内に足を踏み入れ,歩き出した俺が向かう先は教室。
初めて入る校舎内は全てが新鮮で,どの光景にも自然と目を奪われる。
案内の地図が至る所に貼ってあるので,俺は迷う事なく目的の教室にたどり着いた。
「………フゥ~~~。
うしっ!」
閉まりきってる教室のドアを開ける前に,長い深呼吸をして気を落ち着けてから取っ手に手をかけて勢いよくドアを開いた。
「遅せぇぜ京介!
まさか,今までずっとあのまま校門の前に突っ立っていたのか?」
教室のドアを勢いよく開けた瞬間にその音に皆の視線が集まり,亮からの言葉が飛んできた。
亮と同じクラスだと言う事はもう分かっていた事だから,別に驚きはしない。
それよりも,クラスにいる皆の緊張した面もちやこれからの高校生活に対する希望に満ちた面もちの方が何倍も気になった。
「うるせぇな!
憧れの白桜高校に入学する感動を味わってたんだから良いだろッ!」
この発言に何人かの奴らが「クスクス」と笑うのが聞こえてきた。
バカにされたのかもしれねぇけど,これで第一印象は悪くないはず!
「んな事で,登校時間の何十分も前から学校に来といて遅刻ギリギリまであんなとこに突っ立てんじゃねぇよ!
お前,端から見たらただの変態だぜ!?」
あっ,亮の返しの方が笑いを取りやがった。
きっと,入学早々可笑しな2人組だと思われてるんだろうな俺たち。
まぁ,んな事はどうでも良いとして……
遂に始まるんだ,俺のとびっきりの高校(野球)生活が!
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