†第2球† 残酷な現実

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俺たちが野球部のグラウンドに近付くにつれて,練習する声や音が聞こえてくる。 遂にだ,遂に俺はこの瞬間を迎える事がッ! 俺らが練習をしている部員の人たちから見える位置まで来た時,俺たちは異変に気付く。 「……あれッ!? 何でアイツら……が?」 グラウンドで練習をしている白桜野球部。 その中に,今日俺たちと一緒に入学したはずの1年生の何人かが練習に参加していた。 「……なぁ,亮? 入部期間はまだだよな?」 「………あぁ。 なのに何でアイツらは練習に…?」 俺は胸騒ぎがした。 これから起こるであろう何かを感じ取ったのかもしれない。 状況が理解出来ないで思考が停止している俺たちに,練習をしていた先輩たちが気付いて、あろうことか近付いてきた。 「あぁ,去年の甲子園で俺が憧れながらテレビで見ていた戦士たちが目の前にいる。」 いつもの俺ならそう浮かれていたかもしれない。 でも今は……………明らかに状況が違う。 「おっと,敵なしの無敵バッテリーさん達は今頃ご到着ですかぁー? アハハハッ!」 「…………えっ?」 俺たちの元に集まってきた憧れの先輩たちが………俺たちを笑っている。 皮肉タップリの言葉を吐き捨てて……… 「何で自分と同じ1年がもう練習に参加しているか分からないだろ? 教えてやるよ。」 これから,何かスゴい事を言われるような気がして怖かった。
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