125人が本棚に入れています
本棚に追加
「クリスマスパーティー?」
「そう、香奈さん家で。24日だってさ」
学校も終わり、部活も終わり……着替えをしている部室で、俺と巧は話していた。内容は、さっき葵さんから聞いたパーティーの話…
「ふぅ~ん、健吾は行くのか?」
「行くよ。それで、巧も一緒にどうかと思ってさ……ていうか、男子5、6人誘ってほしいって葵さんに頼まれたんだけど…」
「なるほどな。頭数揃えなきゃならねぇわけ」
「…そう」
人にお願いされると…弱いんだよなぁ、俺…
参ったな、といった感じで俺は頭を掻く…
そんな俺を見て巧はやれやれといった顔をする
「分かった分かった。俺も行くよ。たまにはこういうのもいいだろ」
「おぉ、助かるよ巧」
「あとは速水達にも声かけりゃ、丁度6人になるぜ」
別な所で着替える速水君達を、巧が親指を立てて示す。俺は頷くと、みんなに声をかける
「ねぇ速水君達、ちょっと話が……」
「行く行く行く~!」
俺が手を挙げた瞬間だった…………速水君は返事をしながら勢いよく俺の傍へと寄ってきた
「まだ何も言ってな……てか、近い近い近い!」
速水君のあまりのアップに、俺はこれでもかと上体を後ろに反らす…
「パーティーだろパーティー?…絶対行く!」
「わ、分かった……で、他のみんなは…?…」
速水君の後ろでこっちの様子を伺ってる3人に俺は訊いてみる
「行っていいなら、僕もぜひ」
と、大河原君…
「おいらも」
と、神崎君…
「……………行く……………」
と、山根君…
みんなの参加を受け付け、俺はとりあえず安心する…
「じゃあ、この6人で参加ってことで大丈夫だね」
は~い
「ぁ、あと女子も人数に合わせて来るってさ」
おぉ~
「ぁ、それとプレゼント交換もあるから準備しといて欲しいって」
…………
あれ…?…返事が…消えた…
「プ、プレゼント交換…だと…?」
速水君が目を怪しく輝かせている…
「そ、そうだけど……何か変?」
思わず自分が変なことを言ってしまったような気分になった…
けど…
「それっぽくなってきたー!!」
取り越し苦労だったらしい。はしゃぐ速水君を呆れながら眺める…
「何なんだ、一体…?」
いまいち掴めない速水君の様子を、巧が簡単に表現する…
「バカが舞い上がってるだけだろ…」
その後も、部室はしばらく賑やかだった……
最初のコメントを投稿しよう!