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男は洗面所へ行き、顔を洗い出した。
先ず説明をしておこう。
彼がこの物語りの主人公である。
彼の名前は………………
『プルルルル!プルルルル!』
突然、携帯が鳴った。
男「はい、“田中”ですけど……。」
声『“太郎”君、どうした?遅刻だよ。』
田中「林さん、すみません。寝坊してしまって……。」
林『寝坊?珍しいな!いつも1番早く来てるのに。
まぁいいか、早く来てくれ。』
田中「はい。」
彼の名前は“田中太郎”
もちろん偽名だ。
そんな名前を現代で聞いた事がない。
彼は記憶を失っている。
何も覚えていない。
彼が飢え死にしそうな所をさっきの電話の声の主『林』に救われた。
林は美術館の警備員をしており、
男に美術館に住み込みでその仕事を手伝わしてもらっている。
男は警備服に着替え、部屋を出た。
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